ファミリーデーとは?企業が実施する目的・メリット、事例を紹介
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リモートワークの普及や働き方の多様化が進む今、各関係者のエンゲージメントを高める目的で「ファミリーデー」の需要が上がっています。家族が仕事と会社を理解し、応援したくなる場を作るイベントとして重要な役割を担っているのです。今回は「ファミリーデー」について基本的な情報や開催のメリット、成功ポイント、事例などについてご紹介します。
ファミリーデーとは?
企業が実施するファミリーデーは「企業が従業員の家族を招いて行う社内イベント」のことです。職場見学はもちろん、従業員家族の参加を想定したスポーツフェス、パーティーや夏祭りなど、目的によって中身は千差万別。また、参加者を従業員とその家族に限定する場合もあれば、独身者向けに友人等の参加も許可するケース、コンテンツの都合上、一定年齢以上の家族のみOKとするケースなど様々なパターンがあります。
ファミリーデーを実施する目的
企業がファミリーデーを実施する目的の中で一番大きいのが「従業員エンゲージメントの向上」です。
ファミリーデーは「企業」「従業員」「従業員家族」の三者に相互理解のメリットがあるとして東京都が推進したこともある施策で、ワークライフバランスを考える上でも重要な取り組みとされています。
参考:東京都TOKYOはたらくネット ファミリーデーに関する資料
ファミリーデーを実施するメリット
ファミリーデーの実施には様々なメリットがあります。その一部をご紹介しましょう!
従業員と家族の相互理解・コミュニケーション促進
ファミリーデーならではのメリットとして挙げられるのが「従業員と家族のコミュニケーション促進」です。仕事とプライベートを切り分けていたり、家では仕事の話をしなかったり、仕事のことはブラックボックス状態になることもあります。ファミリーデーはこういった「知りたいけれど聞けない・話せない仕事の姿」を見せる場として最適なのです。
従業員同士の相互理解・コミュニケーション促進
家族が「仕事中の姿を知らない」ように、従業員は「仕事以外の姿を知らない」ものです。ファミリーデーは「家族を前にした姿」という普段見られない一面が見えるため、社員同士の相互理解が進みます。仕事ではいつも険しい顔の上司が子どもを前にすると笑顔のパパになる、子どもが同世代だったことをキッカケに仲良くなるなど、仕事上の付き合いだけでは築くことができなかった関係に近づくことができるのもファミリーデーのメリットです。
ブランディング
ファミリーデーは従業員が自分の働いている会社をアピールできる機会でもあります。家族に胸を張って紹介できるというブランディングは企業運営においても非常に重要ですし、ファミリーデーを通じて企業のファンになってもらうことができれば、ブランディングに繋がります。従業員満足度が企業の価値を高める今、働いている当事者とその家族の評価を上げる方法としてファミリーデーは有効なのです。
ファミリーデーを実施する上での注意点
前述したメリットがあるファミリーデーですが、実施する上ではいくつかの注意点があります。
セキュリティ面でのリスク管理が必要
ファミリーデーで職場見学、工場見学などを行う場合、一時的とはいえ部外者が会社に入ることになるため、セキュリティ上のリスクが発生します。大人はもちろん、小さな子どもが立ち入り禁止の場所に入り込んでしまったり、大事な機器にいたずらしてしまったりという可能性も否定できません。通常仕事している場所に家族を入れる場合、いつも以上にセキュリティ対策を万全にしておきましょう。
独身従業員が不公平を感じる可能性がある
ファミリーデーはその名の通り、従業員の家族を交えて行うイベントです。しかし、社員の中には未婚や単独世帯、単身赴任中等々、様々な理由で家族を呼べない人がいます。彼らに対するフォローがない場合、反発を招いてしまう可能性もあります。あくまで従業員は公平であるという前提のもと、家族を呼べない人に対する対応もしっかり考えるようにしましょう。対象者を家族だけでなく友人などまで広げるのも一つの方法です。
強制参加にすると逆効果
様々な事情でファミリーデーに家族を呼べない人もいれば、呼びたくない人もいます。家族関係はデリケートな部分も多く「全員参加」を義務付けてしまうと逆効果になってしまうことも。実施する際には家族の参加は任意にし、従業員が過ごしやすい選択ができるようにしましょう。
ファミリーデーの企画アイデア
ファミリーデーは目的によって様々なコンテンツを組み合わせて開催することができます。ここでは企画アイデアをいくつかご紹介します。
オフィスツアー・仕事場見学
ファミリーデーでもっとも定番なのがオフィスツアー・仕事場見学です。「どんな場所で仕事をしているのか」を直接見ることで家族の仕事への理解度が一気に上がります。子供から大人まで全世代を対象にできるのも強み。また、仕事内容の紹介映像や後述するコンテンツと組み合わせることでさらに理解が深まります。
お仕事体験
オフィスツアーに組み合わせる形でお仕事体験コーナーを設けるのもオススメです。お仕事体験を通じて理解が深まるだけでなく、仕事そのものに興味を持ってもらうこともできます。具体的な業務体験ができない場合はファミリーデー参加者専用名刺を作って名刺交換するなど、アイデア次第でできることは様々。具体的に何をする(できる)のかは年齢層で大きく異なるため、参加者の年齢層をしっかり把握しておくことが大切です。
クイズ大会
仕事に関する内容をクイズ大会形式で伝えるのも家族の仕事の理解度を高めるために効果的です。また、クイズの内容を業務内容に限定せず、経営者層のプライベートに迫ってみたり、企業の歴史を取り挙げてみたりと工夫次第で従業員の企業に対する理解度を上げることもできるため、応用範囲が広く様々な効果を見込める企画と言えるでしょう。
スポーツイベント(社内運動会)

レクリエーションが主目的の場合にオススメなのがスポーツイベント、社内運動会です。ファミリーデーとして開催される社内運動会はフェスやお祭り的な側面が強くなる傾向があり、大人数で盛り上がるのにピッタリ。運動会種目は社員向けに、家族はその様子を見ながらお祭りを楽しむといったプログラムの使い分けをすることで、公平性を保ちつつ交流の機会を設けることができるのもポイントです。
社員食堂でのランチ会
オフィスに大きな社員食堂がある会社の場合、社員食堂でのランチ会もオススメのコンテンツです。食事を共にするとグッと心の距離が縮まりますし、食事中はリラックスしやすいもの。オフィスツアーやお仕事体験と組み合わせることで社員の家族により会社を身近に感じていただくことができます。
記念撮影
あらゆるコンテンツと組み合わせられ、効果が大きいのが記念撮影です。記念撮影のポイントは「あとから見返して思い出せる」こと。例えば、オフィスツアー中に社長室で家族と撮影したり、スポーツイベント中に参加者全員の集合写真を撮ったりと、思い出に残るシチュエーションを設定して撮ることで記念になりますし、記憶にも残りやすくなります。大規模ファミリーデーの場合、記念写真を使ったノベルティを作るなどの応用も可能です。
ファミリーデーを成功させるポイント
ファミリーデーは「従業員の関係者」という特殊な立場の人が参加するイベントです。成功すれば従業員エンゲージメントを向上させ、より働きやすい環境を整えることができます。ここではファミリーデーを成功させるためのポイントをいくつかご紹介しましょう!
開催目的を明確にする
ファミリーデーは目的によって開催内容が大幅に変わります。例えば、従業員の家族に仕事の様子を見せたい場合はオフィスや工場の見学が中心になりますし、家族を含めたレクリエーション、日ごろの感謝を表したい場合はスポーツフェスティバルや夏祭り、パーティーなどのほうが適しているでしょう。ファミリーデーには「こうしなければならない」というルールはありませんし、定番のプログラムもありません。だからこそ「何のためにファミリーデーを開催するのか?」を考え抜いてから企画することが大切なのです。
従業員は「参加者」というスタンスを貫く
ファミリーデーを成功させるために欠かせないのは「従業員は家族をもてなす側ではなく、家族と一緒に参加する側である」という意識です。仕事中の姿を見せるという目的がある場合は別として、基本的には運営や事務局以外の従業員は全員参加者というスタイルにするのがオススメ。参加者という立場になるからこそ従業員が肩の力を抜いて参加することができ、ファミリーデーのメリットが発揮されるのです。
幅広い層に沿った環境・コンテンツを設計する
ファミリーデーには様々な年齢の家族が訪れます。ここで重要なのが「参加する家族の年齢によって必要な対策・設備が異なる」ということ。これはコンテンツの内容だけにとどまりません。小学生未満の参加者がいる場合は疲れたときの休憩場所や飽きてしまったときの遊び場、思わぬ事故に備えた安全対策などが必要ですし、乳幼児の参加が見込まれる場合は授乳エリアやおむつ替えエリアが必要となります。対象を一定年齢以上に絞る場合は別として、参加者に小さな子供が含まれる場合は専用の対策をしっかりしておくことが大切です。
ファミリーデー事例
「Little Rakuten World」Rakuten Family Day 2024(楽天グループ)
楽天グループによるファミリーデー「Little Rakuten World」は約3,000人が参加する大規模ファミリーデーを開催しました。乳幼児から従業員の両親まで幅広い年齢層の参加者が楽しめるよう、オフィス見学やグループ会社それぞれの事業紹介、楽天キャラクターとの記念撮影、ワークショップ、社員食堂でのランチ会等、幅広いコンテンツを取り揃えています。楽天は英語が公用語の会社であり、従業員も多国籍なことから、企業文化を従業員の家族が感じる貴重な機会となりました。
さぁ 今年も行こう!家族の日 2024(株式会社清水建設)
建設事業を中心に不動産開発やエンジニアリングを手掛ける清水建設は2024年8月9日に従業員とその家族を対象とした「さぁ 今年も行こう!家族の日 2024」を開催しました。本社のホールをメイン会場に、全11部門が出展。伝統建築の手法体験、すごろくによる清水建設と建築の歴史紹介、パラスポーツ体験、社員食堂開放など様々なコンテンツを通じ、家族が楽しみながら清水建設の仕事を理解するキッカケを生み出しました。
Family Day 2024 〜友だちや家族と過ごす ありがとうの日〜(LINEヤフー株式会社)
検索やポータル、SNSなどを手掛けるLINEヤフー株式会社は2024年10月に初となるファミリーデーを本社オフィスで行いました。会社の歴史を伝える展示やオフィス見学、スマホを使った避難訓練、セキュリティ講座、フォトスポットや社員食堂の解放など、様々なコンテンツを通じてLINEヤフーの事業内容とその意義を楽しみながら理解することができる機会となりました。
ファミリーデーに関するよくある質問
Q:ファミリーデーの一般的な内容やプログラム例を教えてください。
A:企業のファミリーデーは主に「社員の家族に職場や会社の取り組みを理解してもらう」「家族を交えたイベントで従業員エンゲージメントを高める」ことを目的に行われます。前者の代表的な内容としては職場見学ツアーや経営者や部署による会社紹介プレゼン、子ども向けワークショップなどが挙げられます。後者であれば、スポーツ大会やレクリエーション、バーベキューや食事会などが挙げられるでしょう。なお、最近はオンライン配信型のファミリーデーを取り入れる企業も増えています。
Q:ファミリーデーの費用はどのくらいかかりますか?
A:ファミリーデーは内容の幅が広く、かかる費用も参加人数・会場規模・実施内容によって大きく変わります。例えば、食事をしない時間帯で自社を見学・案内するなどの内容であれば費用は最低限に抑えられるでしょうし、スタジアムを借りた大規模なスポーツフェスティバルであれば数百万、数千万かかる可能性もあります。ファミリーデーは決まった形がなく、予算に合わせやすいというポイントがあります。イベントの費用で多くを占めるのが「会場費」「人件費」「飲食費」なので、やりたい内容と予算に合わせて組んでいくことが大切です。
Q:小さな会社や少人数でもファミリーデーは実施できますか?
A:もちろん実施可能です。例えば、社員数が少ない企業の場合、会社案内と会議室でのミニパーティーを組み合わせ、全社員とその家族が交流するアットホームなイベントや、家族を招いての花見イベントなどが考えられます。イベントの目的は『従業員エンゲージメントの向上』のため、会社の規模感に関わらず、目的に合ったイベントを開催することが大切です。
まとめ
ファミリーデーは「従業員の家族の理解」という視点から従業員エンゲージメントを高める施策です。共働きの時代、人生の多くを仕事に費やすからこそ、家族が仕事先をどう捉えているかが社員の働きやすさに繋がることは間違いありません。百聞は一見に如かず。従業員の家族に自社の魅力を伝えるためにもファミリーデーを検討してみてはいかがでしょうか?
弊社ではファミリーデーに関するご相談を無料で承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

