これもサステナブル?!作業療法とは?
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こんにちは!GP吉村です。
実は私、医学部出身で、作業療法士というリハビリテーションの国家資格を持っています。「どうしてイベント会社に!?」とよく驚かれるのですが、エンタメや感動という領域で仕事がしたいと思い、イベントプロデュース会社に就職しました。
入社して間もなく、社内で頻繁に耳にするようになった言葉が「サステナビリティ」。社内で使用するマイコップや机、イベントで使用する制作物などにおいて、環境持続可能性を意識した取り組みが活発に行われていました。サステナビリティについて知識を深めていくうちに、学生時代に学んでいた作業療法のことを思い出し、こう思いました。
「作業療法って、すごくサステナブルじゃない?」
社会的持続可能性とは
サステナビリティ(持続可能性)は、環境・経済・社会の3つの要素から成り立っています。
- 環境的持続可能性:自然環境を守りながら、将来世代も安心して暮らせる地球を残すこと
- 経済的持続可能性:経済活動が長期的に安定し、人々が生活基盤を維持できること
- 社会的持続可能性:すべての人が尊厳をもって安心して暮らせる社会をつくること
このうち、最も見えにくく、でも最も“人間らしさ”に関わっているのが、社会的持続可能性です。
健康、教育、地域社会とのつながり、多様な価値観、ジェンダー、公平性など、人が「その人らしく生きていける社会」を持続させる力です。
作業療法とは
作業療法とは、病気や障がい、加齢などによって生活になにかしらの困難を抱えた人が、再び「その人らしい生活を取り戻すための支援」を行う医療専門職です。作業とは、仕事や家事だけでなく、着替え・食事・外出・趣味など、日常のあらゆる活動のことを指します。その人にとって意味のある作業を通して心身の回復を促し、人が“その人らしく”生きる力を支えるのが作業療法の本質です。
作業療法と社会的持続可能性
作業療法は、「人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である」と定義されています(日本作業療法士協会2018年社員総会承認)。
これはまさに、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」が掲げるビジョンと重なります。
身体的・精神的・社会的に健康な状態を、すべての人が享受できる社会を実現するためには、
- 病院という枠にとどまらず、生活や労働など“個人と社会をつなぐ場”に目を向けること
- その人の価値観や想いに即した個別性の高い支援を行うこと
が欠かせないと考えます。
単なる機能の回復や一時的なケアではなく、「どう生きたいか」「自分らしさとはなにか」という一人ひとりの人生の質に寄り添うことこそが、持続可能性のある健康と福祉の実現につながるのではないでしょうか?
つまり、作業療法は本質的に、「人の健康と福祉を支える持続可能な社会の構成要素」であり、社会的持続可能性と深く結びついているのです!
作業療法とイベント
作業療法はサステナビリティだけでなく、イベントプロデュースとも共通する考え方があります。それは“目的と手段を区別し、本質を捉える姿勢”です。
作業療法では、患者さんが「料理がしたい」と希望されたとき、すぐに調理訓練を始めるのではなく、なぜ料理したいのかを探ります。
料理自体が趣味であれば、必要な心身機能や環境に基づき段階的な支援を行います。しかし、料理をすることで家庭内での役割を果たしたいからという患者さんもよくいらっしゃいます。その場合、料理に限らず“役割を感じられる作業”を再構築する手段が考えられます。つまり、ここでの重要なのは料理ではなく、役割を全うして自分らしく過ごしたいという「その人らしく生きること」です。
イベントも同様です。弊社は「なぜイベントを開催するのか」「どんな効果を期待するか」といったことを必ず明らかにした上でイベントをプロデュースします。イベントは開催することが目的ではありません。その先にある「社員のエンゲージメントを高めたい」「企業理念を社内に浸透させたい」といった想いを叶えるための手段であるという意識を持っています。
クライアントの想い(目的)を、イベントという形で達成させるのがイベントプロデューサー。
患者さんの想い(その人らしさ)を、作業という形で支えるのが作業療法士。
イベントと作業療法は、分野は違えど「想いを形にする」という点で通じ合っていると私は思います!
まとめ
現在私は、作業療法士として臨床現場に立っているわけではありませんが、学生時代に学んだ作業療法の視点は、今の仕事や考え方の中に自然と根付いており、イベントの企画やプロデュースにおいても通用するものだと実感しています。
また、今後は人事チームの一員として、作業療法で学んだ考え方を活かしながら、社会的持続可能性において自分が何ができるかを考え、貢献していければと思います!
