GP JOURNAL

デジタルアート美術館の先駆者「アトリエ・デ・ルエール」に行ってみた。

L’ATELIER DES LUMIÈRES、アトリエ・デ・ルミエール、パリ、デジタルアート、美術館

みなさんこんにちは!GP宮永です。
コロナ渦につき今年の海外旅行は難しそう…。でもだからこそ、来年どこに行こうかな〜なんて想像を膨らませるのもまた楽しい。そんな中パリ駐在のGPメンバーから美術館レポートが到着しましたよ。

ルーブル?オルセー?いえいえ、「アトリエ・デ・ルミエール」ってご存知ですか?

世はデジタル戦国時代。様々なアート施設もデジタル導入を急がされる中、このアトリエ・デ・ルミエールはデジタルアートの革命児。先駆者です。2018年4月オープン以来常に話題の注目すべき美術館と言えるでしょう。その見せ方の素晴らしさ、これはイベントにおいて参考になること間違いなし。

L’ATELIER DES LUMIÈRESとは?

L’ATELIER DES LUMIÈRES、アトリエ・デ・ルミエール、パリ、デジタルアート、美術館

2018年4月、パリ11区にオープンしたデジタルアート美術館『L’ATELIER DES LUMIÈRES(アトリエ・デ・ルミエール)』。美術館といえば、壁面に飾られた美しい絵画や美術科によって作られた繊細な彫刻など、そういった作家の魂が込められた作品が並ぶ場所っていうイメージですよね。しかしこのアトリエ・デ・ルミエールはちょっと違う。作家自身が作った作品を展示するのではなく、彼らの作品をデジタル技術と融合させることにより“彼らが見てきた世界観が表現”されている場所、とでも言いましょうか。

本美術館を企画するのは文化施設の管理運営やプロモーションを行う団体カルチャースペース社。彼らによるとアトリエ・デ・ルミエールのコンセプトは至ってシンプル。

デジタル化した芸術作品の超高解像度イメージを光ファイバーで投影し、展示のために特別に作られた音楽のリズムに合わせて動きを出す。以上です!しかし、このシンプルなコンセプトから生み出される体験はもうそりゃすごい。

強いていうなら“夢”のよう。

既存の作品に技術の力でプラスされた「光」と「音」と「映像」。これらが作品を俯瞰的に見せるのではなく、作品の持つ世界観へと誘い出す…まるで夢のような体験を提供してくれるのです。

アートが映し出されるのはかつて鋳造で栄えた広大な廃工場

さて、現在アトリエ・デ・ルミエールでは、2018年のクリムト展(話題になりましたね!)、2019年のゴッホ展(これもまた話題になった!)に続き、20名ほどの画家の世界に入り込める特別展「地中海の旅」、さらに20世紀における高名なアーティストでニース出身のイヴ・クラインの展示も同時平行でが開催されていました。

L’ATELIER DES LUMIÈRES、アトリエ・デ・ルミエール、パリ、デジタルアート、美術館

これはなんとも面白そう…。ということで早速オンラインからチケットをゲット。時間で交代制なので混雑しすぎないところも嬉しいポイント。ゆっくりと世界感が堪能できますもんね。

と言うことで早速11区にある美術館のエントランスに到着!

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持ち物検査を受けていざ中へ!

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この建物はかつて鋳造で栄えた廃工場だったというスペース。天井の高い内部はメインスペース、セカンドスペース、ギフトショップの3つの空間に仕切られています。かつて鋳造で栄えた廃工場だったというこの空間はなんと床面積2,000㎡、天高10mという驚きの大きさ。そこに140機のプロジェクターと50個のスピーカーが設置され床から壁まですべてがキャンバスになるんですね。総面積でいうとなんと3,300㎡なのだとか…規模がすごい。。

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いざ地中海の旅へ!

さて!時間が来たので入ってみましょう。

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今回の「地中海の旅」展に登場するアーティストたちは、ルノワール、モネ、ピサロ、マティス、シニャック、ドラン、デュフィー、そしてシャガール…。いやこれもう本当に巨匠たち。

テーマは「南仏における海洋風景が画家たちの個性に対していかに重要性を秘めていたか、そして地中海がイメージを触発する場所としていかに多大な影響を及ぼしたのか」とのこと。

入るといきなりこんな感じ!

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すごい!これは今までにない世界。あの絵画が動く上にものすごい大きさ。自分が作品の一部になってしまったかのよう。

なんと言いましょうか。作品を鑑賞しているというよりも、作品の中に飲み込まれてしまったような、そんな感覚とでも言いましょうか。

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目まぐるしく変わる作品に美しい音楽。

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L’ATELIER DES LUMIÈRES、アトリエ・デ・ルミエール、パリ、デジタルアート、美術館
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大きな会場の中には“鏡の間”も。自分がどこにいるのか、なんだか方向感覚が失われていくよう。他にも、円形をした空間もあり、2次元である絵画を違った次元で体感することができるようなさまざまな工夫がされています。

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写真で伝わるかわかりませんが、とにかく大きいんです。全ての規模がBIG!だからこそ没入感が半端ない。

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さらに各作家ごとのストーリーが用意されており、1つ1つの作家を題材にしたショートムービーの世界に入っているような感じです。コンセプトが本当にしっかりしている!

L’ATELIER DES LUMIÈRES、アトリエ・デ・ルミエール、パリ、デジタルアート、美術館
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来場者は部屋の真ん中、端っこ、階段の段差など、各々が好きな場所に座りのんびりと美術館の雰囲気と作品を楽しんでいます。これまたフランスっぽいですね。

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果てしないブルー。イヴ・クラインの展示

さて、次は同時並行されているイヴ・クラインの展示の時間が始まりましたよ。
青といえばイヴ・クライン。有名なのは有名な「インターナショナル・クライン・ブルー」と呼ばれる彼が発見した青色の塗料ですよね。南仏ニース生まれのイヴ・クラインは地中海の海と空を愛していました。

モダンアートならではのマテリアルの質感に(これマッピングですからね)…。

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L’ATELIER DES LUMIÈRES、アトリエ・デ・ルミエール、パリ、デジタルアート、美術館

青!青!青!これはまさに果てしないブルーの世界。自分まで青くなっちゃいそうな感じですね。

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カフェコーナー、『Le STUDIO』

さて、大きなメインスペースの他にアトリア・デ・ルミエールにはもう一つ展示会場があります。それがカフェコーナーのル・ステュディオ。ここではポエティック・アイと呼ばれる人工知能をテーマにした現代デジタルアートが展開されています。これが、また面白い!

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映像には「風」「水」など、それぞれにテーマが設けられています。

L’ATELIER DES LUMIÈRES、アトリエ・デ・ルミエール、パリ、デジタルアート、美術館
L’ATELIER DES LUMIÈRES、アトリエ・デ・ルミエール、パリ、デジタルアート、美術館世はデジタル戦国時代。様々なアート施設もデジタル導入を急がされる中

このル・ステュディオで展開されるアート作品ですが、言うなればASMRの世界に入り込んでしまった感じですね。脳みそをノックされているというよりは、その脳みその中に入り込んじゃた感じ。ああ、心地よすぎる投入感。もうこのまま動きたくない…ここにいたい…という気持ちを抑えつつ、次に来たお客様のために椅子を空けましょう。

ちなみに普段はここはカフェスペースになっており、美味しいコーヒーなどもいただけるようですが、今回はコロナのためカフェサービスはありませんでした。

終わりに

いかがだったでしょうか?アトリエ・デ・ルミエール、すごくないですか?

というつまらない言い回しになってしまいますが、これはもう没入感を感じる美術館、新しいアートの形です。これまではアートは鑑賞するものでしたが、技術が発展したいま、美術は体験する時代になったのです。

現代人が今求めているものは圧倒的な没入感です。普段の日常から抜け出し、非日常へと誘ってくれる何かに激しい憧れをもっている人は多いはず。これを実現してくれる最新技術を応用したこのアトリエ・デ・ルミエールからイベント運用に置いて学べることは沢山あるはず。

コロナが落ち着いたら行きたい場所、アトリエ・デ・ルミエールに今すぐ✔︎マークを。

L’ATELIER DES LUMIÈRES
38 Rue Saint-Maur, 75011 Paris

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公開日:

2020NOV

27