取り壊し直前のビル→アート空間。アートゴールデン街、その挑戦と受賞理由

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アートゴールデン街 by NoxGallery × Superchief × Brillia メインビジュアル
Photo:株式会社エフ工芸より引用

こんにちは!GPの宮永です。

2025年、アート界隈でひそかに盛り上がっていたニュースがあるのをご存知しょうか。それが、「アートゴールデン街 by NoxGallery × Superchief × Brillia」 のグッドデザイン賞の受賞です。

これは「新宿・歌舞伎町にあった“解体予定の空きビル”を、まるごとアート空間に変えてしまったという大胆すぎるプロジェクト」としてさまざまな方面で話題に。今回は、このプロジェクトがどうしてグッドデザイン賞を受賞したのか、どんな背景や狙いがあったのかをご紹介!

『アートゴールデン街』とは?

「アートゴールデン街」は、新宿・歌舞伎町の一角にある「取り壊し予定だったビル」を丸ごと使って開催された、期間限定のアート展。フロアも廊下も階段も。残された内装までもがアーティストのキャンバスになり、ビル全体がひとつの巨大な作品へと姿を変えました。

企画と運営を担ったのは、Nox GallerySuperchief Gallery(NY)、そして東京建物 Brillia。国内外のアート機関がタッグを組んで生まれた、ちょっと異例のコラボレーションですよね。本来なら役目を終えて静かに取り壊されるはずだった空間が、気づけば 「その時にしか存在しない、一回きりの美術館」 へ。この大胆さが、まさに多くのアートファンを惹きつけたポイントでもありました。

「都市の余白を、未来の文化に

本プロジェクトが面白かったのは、ただのアートイベントとしてではなく、「都市に生まれた時間的な空白を、文化に変換する装置」 として企画された点です。

取り壊し前のビルという都市の余白にアーティストが息を吹き込み、期間限定で新しい文化を生み出す場へと変えていく。そのチャレンジ精神こそが、このプロジェクトを特別なものにしていました。そして、この取り組みが評価され、プロジェクトは グッドデザイン賞 を受賞。

グッドデザイン賞(GOOD DESIGN AWARD)は、1957年に始まった日本を代表するデザイン賞で、建築・製品・サービス・社会実装など幅広い分野を対象に、「社会をよりよくするデザイン」 を評価してきました。街中でもよく見かける“Gマーク”は、この賞の象徴として世界的に知られています。都市の一瞬を新たな文化に変えるというビジョンが、まさに「良いデザイン」として認められたわけですね。

審査委員の評価コメント

高度成長期ストックの更新期の解体案件が増加し、解体待ちの空白の増す空洞化や治安不安などの地域課題に対して、デベロッパーという立場を活かした暫定利用の魅力的な取り組み。解体待ちのビル一棟まるごと地域に開き、空白の“期間”を地域に還元し、大きなスケールとインパクトをもって“期間の空白”を価値化している。近隣合意や安全管理まで担い、仮囲い活用や他物件への横展開を見据えた運用の型を示している。これを一過性のイベントで終わらせず、継続・展開する一連の取り組みとして期待したい。」

アートゴールデン街はなぜ生まれたのか?

都市の“空白時間”を文化に変える発想

アートゴールデン街の舞台となったのは、渋谷・恵比寿・代官山のちょうど中間に位置するセゾン代官山(1986年竣工)です。

この建物は老朽化のため、2025年2月に解体が予定されていました。大規模な建物は建て替えが決まってから実際に解体されるまで時間がかかるもの。その間にフロアが空き、にぎわいが失われたり、治安面の心配が出てきたりと、地域にとっては「ぽっかり空いた時間」が生まれます。その空白の期間をどうにか地域に還元できないか?

そんな課題意識から、NoxGallery と東京建物がアイデアを持ち寄り、「いっそこの建物を丸ごとアート空間として使おう」と企画されたのがこのイベントでした。いわば建物の 「終活」 として、最後の時間を有意義に使い切るための挑戦です。

50の部屋が「文化の集合体」へ。イベント名の由来は「新宿ゴールデン街」

名称の「アートゴールデン街」は、新宿ゴールデン街のようにクリエイターが集まるディープな文化圏をヒントにしたもの。もともとこのビルには50の小さな部屋があり、それぞれをアーティストが自由に使える“表現の箱”として解放しています。解体前で原状回復の必要がないため、

  • 壁全面へのペイント
  • 床・天井を使ったインスタレーション
  • 残された構造物を活かした実験作品

など、通常のギャラリーではできない表現が可能になりました。その結果、ビル一棟が一度きりの実験的アートミュージアム に。都市の「期間の空白」を価値に変える挑戦として、地域活性化の観点からも大きく注目されるプロジェクトとなりました。

『アートゴールデン街』プロジェクトの詳細をご紹介

ここからは、実際にどんな空間が広がっていたのかをご紹介。「行きたかった!」と思えるポイントを中心に、わかりやすくまとめました。

建物丸ごと“アートの迷路”

取り壊し前のビル全体を使った展示で、フロアごとに異なる世界が広がる「歩いて楽しいアート空間」。

アーティスト数十名が参加

参加アーティストは国内外から数十名。海外からの参加者も多く、ジャンルや国境を越えて作品が混ざり合うクロスオーバーしたスポットに。

建物の「傷」や「痕跡」も作品に

壁の穴や雨漏り跡など、建物に残った痕跡そのものが表現の一部に。“建物の歴史をそのまま見せるアート”が印象的でした。

夜の歌舞伎町との相性

展示を出ると一瞬でネオン街へ。静かな鑑賞体験と街の熱量が交差する、ここならではの余韻も魅力の一つ。

一度きりの美術館

解体前の期間限定開催で、建物ごと消えてしまう展示。「今だけ」の儚さが、体験価値をさらにアップ。

終わりに

『アートゴールデン街』が示したのは、アートには都市の「空白」を動かす力があるということ。本来なら何も起きないはずの、取り壊し前の建物。でもそこにアートが入るだけで、国内外のアーティストが集まり、来場者が足を運び、人の流れが生まれ、街に新しい意味が誕生する。そんな変化を、わかりやすく形にしたプロジェクトでした。

グッドデザイン賞の受賞は、その価値がしっかり評価された証でもあります。でもそれ以上に、「次はどこで、どんな空間がアートに生まれ変わるんだろう?」とワクワクさせてくれる可能性を感じた人も多かったはず。もし2026年や2027年に続編があるなら、ぜひチェックしたい本イベント。街を歩いていて古いビルを見かけたら、「ここもアートになるかも?」なんて思ってしまうかも?

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最終更新日:

WRITER

宮永 麻代

MAYO MIYANAGA宮永 麻代

取締役/CMO/エグゼクティブプロデューサー

気づけばイベントプロデューサー歴15年以上、、!表彰式、インセンティブトリップ、キックオフ系案件が特に多いです。
イベントプロデュース業のほか自社のWEB、広報等のマーケティングまわりのほか社内業務改善のDXを推進。

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