8番出口東京メトロ脱出ゲームに参加してみた
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こんにちは。GP染宮です。
「8番出口」という作品をご存じですか?
元々は2023年に発売され、累計170万ダウンロードを記録したヒットゲームです。2025年に二宮和也さん主演で映画化したことでゲーマーだけでなく一般人気にも火が付き、様々なメディアミックスが行われています。
そんなメディアミックスのひとつである「東京メトロ脱出ゲーム「8番出口」」に参加してきましたので、そのレポートをお届けします!
※ネタバレ要素はほぼありませんのでご安心ください

「8番出口」ってどんなゲーム?
まずは、原作である「8番出口」がどんなゲームかをご紹介しましょう。
「8番出口」とは、インディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE氏が2023年に制作した短編ゲームです。現在はsteamの他、スマホアプリやswitchでもプレイすることができます。
ゲームの内容は至ってシンプル。「無限に続く地下通路に閉じ込められたプレイヤーが、地下通路の異変を見つけながら脱出を目指す」というものです。
こう聞くと宝探しをしたり、襲ってくる敵を退治したりといった行動をイメージするかと思いますが……なんとこのゲーム、プレイヤーは「移動する」ことしかできません。
「目の前の景色に異変がないと思ったら進み、異変があると思ったら引き返す」これを繰り返し、8回連続で正解すればクリア!感覚としては、間違い探しに似ています。
とてもシンプルな仕組みですが「どこに異変が起こるか、あるいは起こらないか」はランダム、かつ、一目で分かるものからじっくり探さなければ見抜けないものまでバリエーションに富んでいるため、意外と難しいのです。
そんな「8番出口」の世界を地下鉄を舞台にリアルにやってしまおう!というのが脱出ゲーム版の「8番出口」。東京メトロバージョンと大阪メトロバージョンがあり、それぞれ内容が異なっています。
脱出ゲーム版「8番出口」はどんなゲーム?
脱出ゲーム版の「8番出口」は地下鉄の周遊と謎解き要素を組み合わせた体験型ゲームです。原作ゲームはひとつの通路のみで展開していましたが、脱出ゲーム版の行動範囲は「東京メトロ」もしくは「大阪メトロ」のすべての駅!
プレイヤーは配布された冊子に従い、地下鉄で様々な駅をめぐっては仕掛けられた「異変」を探し、謎を解いていきます。原作が「異変を見つけたら引き返す」なのに対し、脱出ゲームは「異変の謎を解く」なのがポイント。また、異変はすべて駅構内や地下直結の施設に仕掛けられているため、クリアまで一切地上に出ないで過ごすこともできるのもこだわり。さらに、仕掛けられた異変はどれも原作ゲームにありそうなものばかりで、ファンにはたまらない仕様となっていました。
実際に参加してみて感じたこと
ということで、論より証拠、東京版の「8番出口」脱出ゲームに参加しました!参加したのが終了2日前の11月1日だったこともあるのか、目的地の駅では脱出ゲームキットを持った方をたくさん見かけました。
詳しい内容はネタバレになるため控えますが……
感じたのは「8番出口の実体験だ!」ということです。
まず、重要なのが「視覚」。8番出口の原作ゲームは「自分の目で見ている景色がそのまま画面になる」仕組みです。そして脱出ゲーム参加者は自分で歩き、自分の目で異変を探します。
すると何が起こるか……「ゲームプレイ時に見ていた景色」と「脱出ゲーム参加中の景色」が重なり、まさに「自分自身が8番出口の世界に入り込んでしまった」感覚になるのです。脱出ゲームでは様々な駅の長い通路を歩くため「この景色、ゲームでも見たような……?」と錯覚しそうになります。また、駅に仕掛けられている異変も原作のデザインを使っていたり、スマホカメラを使うことで原作とほぼ同じギミックを体験したりと、参加者のワクワク感をこれでもかと掻き立てます。終盤には「これが見たかった!」とうなる仕掛けもありました。謎解きの内容はいわゆる頭の体操、ヒラメキが問われるものが中心ですが、その答えも地下鉄に紐づいているため違和感なく進められました。
私は他にも地下鉄の駅を回る脱出ゲームを体験したことがありますが、ここまで納得感のある作品は初めてで、その作り込みのすばらしさに終始感動していました。
8番出口脱出ゲームに見る「一貫性」「必然性」「没入感」の大切さ
「8番出口 脱出ゲーム」は参加者としてとても楽しめたのはもちろん、イベントを作る側から見ても参考になる点が盛りだくさんでした。
何よりも印象的だったのが「一貫性」「必然性」「没入感」へのこだわりです。「地下鉄の通路から脱出する」という原作のテーマと「脱出ゲーム」というコンテンツの相性の良さもさることながら「参加者が8番出口の世界を体験するにはどうしたらいいか」「8番出口のワクワクと不気味さを感じ続けてもらうにはどうしたらいいか」「脱出ゲームを最後まで遊んでもらうにはどうしたらいいか」というテーマに真剣に取り組んで作りこまれていました。
そもそも、駅をめぐるタイプの脱出ゲームは途中駅での誘惑が多く、最後まで没入感をもってプレイしてもらうこと自体が至難の業です。その点「8番出口 脱出ゲーム」はコラボという特性を生かし、コラボ元の景色に近い駅を選び、コラボ作品の雰囲気を活かした内容にすることで没入しやすい・いったん離れてもすぐに再没入できる環境を整えていました。体験型コンテンツがブームになっている中、「8番出口を体験できた!」という参加者の満足感が口コミを呼び、参加者が50,000人に迫る大ヒットとなったのではないでしょうか。
8番出口脱出ゲームは「どうすれば没入感を保てるか」というイベント制作の難題へのひとつの回答だったのではないかと思います。



