有形文化財が“異界”へ。「百鬼繚乱」が目黒に登場!
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(青森ねぶた ねぶた師)
Photo:プレスリリースより引用
こんにちは!GPの宮永です。今日はちょっと変わったアート展をご紹介。場所は目黒のホテル雅叙園東京にある、昭和初期の豪華な木造建築「百段階段」。その館内で現在開催中の「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」が面白そう!
美しき文化財が“鬼”の世界に大変身中
2025年7月4日(金)〜9月23日(火・祝)まで開催の「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」。毎年テーマを変えて開催される人気企画展ですが、今年の主役はなんと“鬼”!
和紙を透かす灯りや影の揺らめき。まるで異世界に迷い込んだかのような世界観を作り出すアーティスト38名による様々な鬼は一見の価値あり。
雅叙園と「百段階段」の物語

Photo:プレスリリースより引用
本展示の舞台となる「百段階段」は昭和10年に完成した木造建築で、東京都指定有形文化財。7つの部屋を99段の階段でつなぐ造りは全国でも珍しく、各部屋には当時の著名な日本画家や職人が手がけた天井画や欄間彫刻が息づきます。
当時「昭和の竜宮城」と呼ばれた豪華絢爛な料亭だった雅叙園。その歴史と美意識が色濃く残る「百段階段」でのアート展がただの展示に留まるわけがなく、文化財そのものが作品の一部になる特別な体験に。そしてこの格式ある空間に“鬼”という異界の存在を招き入れることで、現実と幻想が溶け合う独特の世界観が爆誕中。それが現在開催中の「和のあかり×百段階段2025 ~百鬼繚乱~」なのです!
歩みを進めるごとに展開する物語が没入感あり
このイベントは一歩進むたびにストーリーが深まる構成。つまり、体験型のイベントとなっているため入場者は没入感をたっぷり味わうことができます。
階段を上がるたびに景色も空気も変わり、訪れた人自身が“鬼物語”の登場人物になったかのような感覚に。部屋ごとにテーマが異なり、それぞれがひとつの短編のように展開していきます。最後の「現世の平穏」に辿り着くまで、人々をを翻弄し続けるストーリーには夢中になること間違いなし。
各エリア紹介!鬼物語を辿る、八つの情景
柔らかな灯りに包まれた穏やかな里から、怨霊が渦巻く迫力の空間、鬼たちの宴や理想郷etc…。展示が展開される8つの部屋が描くのはそれぞれの部屋が持つオリジナルの物語。畳の香り、光と影の揺らぎ、足音の響き。やがて辿り着く「現世の平穏」まで、訪れる人を鬼の世界の旅へと誘うそれぞれのエリアをご紹介。
エントランス「里のあかり」
最初に迎えてくれるのは穏やかな里の風景を思わせる柔らかな灯り。提灯や行灯の明かりに包まれ、鬼物語の入口へと訪問者を誘います。
十畝の間「異なる者」
ここから空気がガラリと変わる。異形の存在と人との境界が曖昧になる瞬間を描いた空間。異世界の入口に立ったような、不安と好奇心が入り混じるゾーンです。
漁樵の間「魂の声(菅原道真)」

Photo:プレスリリースより引用
青森ねぶたの制作者・北村春一氏による、怨霊・菅原道真の大作が鎮座。鮮烈な色彩と立体感に圧倒され、息を飲むこと間違いなし。
草丘の間「鬼の住処」
柔らかな灯りの奥に怪しげな影。ここでは鬼たちが暮らす様子が、どこかユーモラスに、しかしゾクリとする距離感で表現されています。
静水の間「百鬼夜行」
壁一面に広がる光と影の行列。古典的な百鬼夜行絵巻が現代的な演出で蘇り、動き出しそうな臨場感があります。
星光の間「酒呑童子」

写真後方(3点):髙井 一平(枯吹盆栽作家)
Photo:プレスリリースより引用
鬼の王・酒呑童子が登場。煌びやかな星明かりの中で、豪快かつ妖艶な宴が繰り広げられています。
清方の間「桃源郷」
鬼の世界の奥に広がる、理想郷のような静けさ。色彩は優しく、どこか現世とは異なる安らぎを感じます。
頂上の間「現世の平穏」
物語の終着点。すべての騒乱を経て、穏やかな光が訪れる空間。訪れる者に安堵と余韻を残してくれます。
展覧会をもっと楽しむための仕掛けも
「百鬼繚乱」は展示を眺めるだけでは終わりません。訪れる人をちょっとワクワクさせる仕掛けが、館内のあちこちに隠れています。まずは鬼特典。角やお面など、鬼をモチーフにした小物を身につけて来場すると、ちょっとした特典が用意されています。照明や背景と相まって、写真映えはもちろん、物語の一員になったような気分も味わえます。

Photo:プレスリリースより引用
そして浴衣プラン。会期中は“涼”をテーマにした特別装飾が館内を彩り、色鮮やかな浴衣姿と絶妙にマッチ。文化財の木造建築と相まって、まるで時代を遡ったような一枚が撮れます。

Photo:プレスリリースより引用
お腹が空いたら、ランチセットもおすすめ。ホテル雅叙園東京内のレストランで、展覧会チケットと食事がセットになったプランを楽しめます。アートを堪能したあとに味わう贅沢な一皿は、きっと記憶に残るはず。さらに、期間限定で施された館内装飾は、展示以外の時間も楽しめるポイント。涼しげな色合いや和紙の灯りが、移動の合間にも小さな発見をくれるはず。
展示と食事、装いと空間。それらをひとつの体験として繋げてくれるのが、この「百鬼繚乱」の魅力。足を運ぶなら、是非ともこんな“もうひとつの楽しみ”を味わうのもいいかも?
終わりに
文化財を舞台にアートと物語がクロスする「百鬼繚乱」。階段を登りきったあとに残るのは、恐怖でも安堵でもなく、異界を覗いたあとの静かな余韻です。まだまだ残暑が続きそうな今、涼を求めて、“鬼の世界”を旅してみては?それではまた。