企業の周年事業とは?企画の立て方や予算、事例を紹介

企業にとって節目の年まで経営を続けられるのはとても意義深く喜ばしいことです。そのため、5年、10年などのキリのいいタイミングで「周年事業」を行う企業が増えています。しかし、周年事業と言ってもその内容は様々。たまにしか開催されない分、どのような企画をすればよいか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は「周年事業」について掘り下げていきましょう。
周年事業とは
周年事業とは「周年記念事業」とも言われ、5周年・10周年など、節目となる年に企業が開催するお祝いの総称です。どのような内容かは企業によって千差万別ですが「お祝い」が根底にあるのが大きな特徴といえます。
周年事業と周年イベントの違い
周年関係の企画でよく取り上げられるのが「周年事業」と「周年イベント」の違いです。ほぼ同じ意味で使われている場合も見受けられますが、基本的に「周年事業」は周年をきっかけに行われる施策・企画の総称、周年イベントは周年を祝う単発イベントのことを指します。周年事業にあたって周年イベントのみを行うのか、他の施策も絡めるのかは企業によって異なります。
周年事業は「対象者」が大事
周年事業を企画するにあたって真っ先に考えなければならないのは「誰を対象として行うのか」です。社内(社員)向けなのか、BtoBなのか、BtoCなのかによって企画のコンセプトや内容は大幅に変わります。対象者を決めないとやるべきことも決まらないので、まずは対象を決めるようにしましょう。
社員向け
社員向けの周年事業は単発の周年イベントが中心となります。企業をここまで支えた従業員への感謝とねぎらいを込めたイベントを開催するというタイプです。そのため、開催目的は従業員エンゲージメントの向上に置かれることが多くなっています。
BtoB
BtoBの企業で多いのがBtoBの周年事業です。社員向け同様、周年イベントが開催されるケースが多くなります。周年イベントは社員向け・取引先向けを分ける場合と分けない場合があります。また、事業の内容によっては記念商品の開発や周年記念サービスプランなど、プロモーション・販促企画を開催するケースも見受けられます。
BtoC
BtoCの企業の周年事業はプロモーション・販促の側面が強くなります。周年記念モデルや周年記念セールなど販促を前面に出したものもあれば、周年を機に会社のロゴマークを変更したりPR用の動画を公開したりといったプロモーションを打ち出すこともあります。BtoCの場合対象者が非常に多いため、他の2つに比べて規模が大きくなりやすいのが特徴です。
「周年事業」はいくつもの施策の総称のため、対象者をひとつに絞らなければならないというわけではありません。社員向けには周年イベント、toCではセールなど対象者別に行ったり、toBで周年イベントを行いその場で新プランを打ち出したりと、組み合わせ方も様々です。
周年事業の進め方
周年イベントは、通常の社内行事と異なり「企業の節目をどう語り、誰に何を残すか」が最も大切なポイントになります。企画の際には会場の豪華さや演出よりも先に周年事業のコンセプトを作り、それを元に周年のメッセージを作り、それから対象者や構成を決めていきましょう。こうすることで企画の精度が上がり、予算やスケジュールもブレにくくなります。
周年事業は自社主催と外注、どちらがいいの?
周年事業を企画する際に考えるべき重要ポイントが「自社主催か、外注か」です。周年事業は他に比べ特別感があり、規模も大きくなりやすい傾向があります。また、周年記念モデル販売など通常の業務の延長線上にある企画もあれば、周年イベントのように通常業務と直接関係しないものもあります。会社の通常業務になるべく負荷をかけず、かつ記念となるクオリティの高いイベントを行いたい場合、イベント会社などに外注するのがオススメです。
周年事業の準備はどれぐらい前から取り組むべき?
周年事業の場合、通常の社内イベントよりも早いタイミング、12〜18ヶ月前には準備を開始したいところです。ただし、50周年や100周年といった大きな節目の時、周年イベント以外にも社外向け企画を行う時などはさらに時間をかける必要があります。作るものと関係者の多さによって準備期間が変動するため、どのぐらいの規模で、どのような企画を行うのかを元に準備期間を見積もりましょう。
企画の前にまず決めること
企画を練り始める前に、最低限決めておくべきことがあります。ここを決めておくと、企画が周年らしくまとまりますし、外注する際にも役立ちます。
周年のコンセプト
「創業◯年の感謝を、次の◯年への約束に変える」など、この周年事業を一言で文章化します。このコンセプトが周年イベントにおける台本・映像・空間・演出や、記念事業を貫く柱となります。
周年事業の対象者
社員や役員、OB・OG、取引先、顧客、地域など、重視するターゲットを決めます。いくつかの企画を動かす場合は「周年イベントは社員と取引先、周年コラボアイテムは顧客」など、企画によって分けましょう。
何をもって「周年事業の成功」とするか
周年事業の「目的」です。先に書いたコンセプトと目的があることで、周年事業が一貫性を持ちます。
周年イベントを外注する場合の流れ
周年事業の中で特に規模が大きくなるのが「周年イベント」です。周年イベントを外注する場合、基本的に相談(要件整理)→企画提案→制作(定期的なミーティングあり)→リハーサル→当日運営→事後フォローという流れになります。
この際、重要なのが「意思決定のタイミングを押さえること」です。周年イベントの場合、台本(式次第)や映像・装飾など、開催までに多くの人が関わります。関係者が増えるほど修正が重なりやすくなるので、どの段階で誰が承認するかを最初に決めておくとスムーズに進みやすくなります。
▽参考記事
周年イベントのワークフロー
周年イベントの予算の立て方
周年事業の中でも規模・予算においてメインとなるのが周年イベントです。周年イベントの予算は内容によってピンキリですが、どこに注力するかを先に決めると納得感のある予算設計ができます。ここでは周年イベントの大まかな予算項目をご紹介します。
- 会場・飲食(会場費、ケータリング、控室、延長料金)
- 運営(進行・運営スタッフ、受付、誘導、警備、VIP対応)
- テクニカル(音響・照明・映像、スクリーン/LED、配信、回線)
- 周年イベント用のクリエイティブ制作
- キービジュアル、招待状・式次第
- 周年ムービー
- 年表パネル・展示、記念冊子(ある場合)
- 演出・コンテンツ(オープニング、表彰、BGM/演出オペレーション)
- 記録・資産化(写真、記録映像、ダイジェスト編集)
- 記念品
- 予備費(変更・追加対応)
予算が跳ね上がりやすい注意ポイント
上記の項目の中には会場費のように一度決まったら動かないものもあれば、内容によって大幅に変動するものもあります。特に、次の項目は注意が必要です。
- 周年ムービーを「撮影あり・複数本」にする
- 記念冊子/展示を新規制作する
- 演出を増やしすぎる
周年イベントはとにかく盛りたくなるものですが、手を広げすぎるとどれも印象に残らなくなりがちです。注力するポイントを絞り込むことで、予算内でインパクトを出しやすくなります。
対象者別の周年事業企画アイデア集

ここからは、対象者別の周年事業企画アイデアをご紹介していきましょう!
社員向け(社員向け周年イベント)
社員向けの周年事業は周年イベントが中心です。ここでは周年イベントならではのアイデアをご紹介しましょう。
ヒストリーパネル
周年イベントはそれまでの企業の歩みを振り返る貴重な機会です。社員は入社タイミングや仕事内容によって企業に対する理解度が異なりますので、ヒストリーパネルは従業員の企業理解、従業員エンゲージメントの観点からも重要です。
ヒストリーVTR
ヒストリーパネルと似ていますが、こちらはイベント後でも、イベント会場にいなくても見られるという利点があります。また、創業メンバーへのインタビューなど、動画ならではのコンテンツを盛り込めるのも特徴です。
社史・記念誌
50周年、100周年など歴史の長い企業の場合、社史を作ることで企業の歩み、時代の流れなどを深く感じることができます。手元に残る記念品としてもオススメです。
記念品
周年イベントに合わせた記念品も従業員エンゲージメントを高める定番施策のひとつです。お菓子などの消えものの他、食器や時計、万年筆など様々な記念品が考えられます。この時のポイントはノベルティではないということ。節目の記念品ですから、高級感のあるものがオススメです。
BtoB
BtoBの場合、周年記念イベントを開催する場合とそうではない場合があります。ここでは周年記念イベント以外の施策をご紹介します。
社史・記念誌の作成
社員向け施策でもご紹介しましたが、ここでの社史はプロモーション・ブランディングが主目的の資料です。特に歴史の長い会社は歴史自体が大きなブランディングのため、その間に合ったことをまとめた資料はブランディングに直結します。話のネタになり、新規開拓などにも活用できる優秀な営業ツールとしてもオススメです。
記念ノベルティ
事業内容にもよりますが、記念ノベルティの制作も定番です。感謝の気持ちを込めて全取引先に配布したり、販促要素として使ったりと幅広い活用が期待できます。
周年記念モデル・プランの制作
事業内容にもよりますが、販促を目的とした周年事業で定番かつ効果があるのが周年記念モデル、周年記念プランです。期間限定という希少性、限定割引のお得感など、様々な視点から販促につなげることができます。
自社紹介ツールの作成
周年を機にプロモーションを強めたい場合、動画やパンフレットといった自社紹介ツールの作成も有効な施策です。周年は注目を集めやすいタイミングでもあるため、自社紹介ツールの強化は営業の視点でも効果が高くオススメです。
BtoC
BtoCの周年事業は基本的にプロモーション、販促を目的としています。また、対象者が非常に多いため、拡散しやすい施策がオススメです。
周年記念サイトの作成
BtoCの場合はまず周年であることを知らせなければ始まりません。周年の告知は既存客だけでなく、新規客、見込み客の興味を引く効果も期待できます。ある意味、周年事業には必須と言えるでしょう。
周年記念ノベルティの配布
周年記念ノベルティはBtoCの定番中の定番です。「〇〇円以上お買い上げでプレゼント」にすることで販促効果を見込めますし、来場者全員プレゼントにすることで集客に役立てることもできます。ただし他の施策に比べてコストがかかりやすい部分でもありますので、費用対効果を見極めて実行することも大切です。
周年記念モデル・アイテムの制作
ノベルティと同じぐらい販促・PR効果があるのが周年記念モデル・アイテムの制作です。「限定」という特別感もあり、既存客に対する販促効果が高いのが特徴。限定品なので今までとは異なるタイプのデザインにも挑戦しやすく、顧客ニーズを探るのにも役立ちます。
周年記念セール
周年事業の定番中の定番が周年記念セールです。最もわかりやすく手堅い施策と言えるかもしれません。しかし。セールが珍しくない企業の場合はそこまで注目を集められない他、利益を圧迫してしまう危険もあるため、他の施策と組み合わせるなど、単なるセールで終わらない工夫が必要です。
周年事業(イベント)の事例
ここでは様々な企業の周年事業の事例をご紹介しましょう!
オートバックス(50周年)

株式会社オートバックスセブンは50周年記念イベントとして社員や関係企業を対象とした記念イベントを開催しました。イベントは2部構成で前半を「これまでの50年間の感謝」、後半を「これからの50年に向けての変化」を示すプログラムを採用。また、イベントで使用したムービーを再活用するなど、イベントをその後に活かす工夫も凝らしました。
株式会社CPコスメティクス(45周年)

株式会社CPコスメティクスは成績優秀者の表彰式と45周年記念イベントを掛け合わせたインセンティブトリップをハワイにて開催しました。スケジュールが詰まりがちなインセンティブトリップの中でハワイで過ごす実感を強く感じられるよう、表彰式のステージ造作や照明、音楽にハワイらしさを存分に盛り込みました。
3coins(30周年)
30周年を迎える雑貨ブランド「3coins」。30周年特設サイトを開設し、様々なBtoC施策を打ち出しています。特設サイトには社史、記念コラボ、ノベルティ等の情報が分かりやすくまとまっており、既存客から見込み客まで幅広く情報提供をしています。
よくある質問
Q.周年イベントは「式典」と「パーティー」のどちらが向いていますか?
A. 目的で決めるのが一番早いです。理念の浸透や会社の方針を共有を優先するなら式典寄り、関係の強化や歓談を重視するならパーティー寄りがオススメです。前半を式典に、後半を懇親にする二部構成スタイルも定番です。
Q.周年イベントを開催する場合、参加者リストはいつごろ確定させればいいですか?
A.参加者の人数と傾向は運営設計と会場条件に直結する大切なポイントです。そのため、遅くとも3〜4ヶ月前には「参加上限人数」と「招待優先順位」を固め、それ以降の増減をどうするかもルール化しておくと混乱が減ります。
Q 写真・動画の撮影をする際に気を付けることは何ですか?
A. ①撮影の範囲(撮影NGの席やNGの人物の位置)②社外での共有の可否③動画に入れるBGMの権利④肖像権配慮(同意の取り方)を事前に決めておくことで、トラブルを避けられます。特に社外の人を招く場合、①と②を必ず確認することが大切です。
まとめ
周年事業は企業が長年経営を続けることができたお祝いであると共に、変化・成長のキッカケともなる重要な事業です。どのような企画がベストなのかは企業によって異なりますが、成功すれば飛躍に繋がる可能性も高いもの。周年タイミングが迫っている企業様は周年事業を検討してみてはいかがでしょうか?
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