社員総会を実施する目的とは?企画や事例、成功のポイントを解説!
目次
最近、ビジネスイベント業界で『社員総会』というフレーズが使われることが多くなってきました。キックオフや年末・期末に全社員が集まる全社イベントを『社員総会』と呼び、重要な社内イベントと位置付ける会社も増えてきています。
ただ、社員総会は本来は別の意味を持つ言葉であり、相手が「社員総会という言葉で何を言いたいのか」をしっかり確認する必要も生じています。
そこで今回は『社員総会』の意味と、ビジネスイベントとしての社員総会を成功させるコツについてお話ししていきます!
社員総会の2つの意味
現在『社員総会』という言葉は、主に『辞書的な意味』と『ビジネス用語としての意味』の2種類の意味があります。両者はかなり違うため、どちらの意味なのかを把握しておくことが重要です。
1.辞書的な意味の『社員総会』
『社員総会』を辞書で引くと、次のように出てきます。
しゃいん‐そうかい 【社員総会】
引用元:精選版 日本国語大辞典
〘名〙 社団の最高議決機関。社員の全員で構成され、社団の意思を決定し、業務を監督する。ふつう社団法人、有限会社の総会をさし、株式会社では特に株主総会と呼ばれる。
これだけだと、イマイチ何のことだかわかりませんよね。
辞書的な意味の『社員総会』は社団法人(有限会社や株式会社、一般社団法人など)の最高意思決定機関で、役員の選任や解任、定款の変更等を行う役割を持っています。
本来はイベント的な要素はなく、役員や定款といった会社の根幹に関わる議題を扱う、お堅い会議のことなのです。しかし、今ビジネス用語として使われている『社員総会』には、こういった固い要素はほとんどありません。
2.ビジネス用語としての『社員総会』
辞書的にはお堅い意味を持つ『社員総会』ですが、ビジネス用語として使われる場合は全く意味が異なります。ビジネス用語の社員総会は『期首や期末など、節目となる時期に開催される全社員参加の社内イベント』という意味がほとんどです。同様の意味を持つビジネス用語として『キックオフ』がありますが、キックオフが期首のイベントを指すことが多いのに対し、社員総会は期首でも期末でも使われます。全社員が集まる期初のイベントをキックオフ、期末のイベントを社員総会と分けて呼んでいるケースもあれば、期首も期末も社員総会と呼んでいるケースもあります。また、社員総会と同じ意味で「全社総会」「全社会議」など、という場合もあります。
このように、使用する人によって微妙に意味が異なるのが『社員総会』。この言葉を使う際は『どんな内容を指しているのか』確認することが必要です。
社員総会実施の目的
辞書的な意味の社員総会は実施と目的が定められていますが、全社イベントとしての社員総会はどのような目的で行われるものなのでしょうか?
全社イベントとしての社員総会は基本的に期首や期末など、毎年特定の時期に継続して行われるものです。そのため、開催時期によって多少の違いはあるものの、下記のような目的をもって行われています。
ビジョンや経営戦略の共有
社員総会はその名の通り『全社員が集まるイベント』のため、会社のヴィジョンやこれからの経営戦略について周知する絶好の機会です。社員が仕事をするにあたって共通認識を持っているかどうかは会社の成長や業績にダイレクトに関わります。そのため、ヴィジョンや経営戦略の共有を社員総会のメインと位置付けている会社も多くあります。
社員のモチベーションアップ、一体感の醸成
社員のモチベーションと会社としての一体感は、企業の成長において欠かすことのできない要素です。そのため、社員総会をモチベーションをアップさせる機会として位置付けている企業も多数あります。また、社員数や支社の多い会社では『会社としての一体感』を味わう機会が限られるため、社員総会は貴重な機会として活用されています。
部署や支社を超えた社員同士のコミュニケーション機会
業務内容が多岐に渡ったり、支社や部署の多い会社では、社員同士のコミュニケーションが業務上の関わりがある決まった人だけになりがちです。しかし、 社員同士の中の良さは企業への定着率やモチベーションアップと 密接な関係があります。そのため、社員総会内にコミュニケーション活性化のプログラムを盛り込み、社員同士の交流を促進するケースが多くなっています。
社員総会の内容は?
ここからは、全社イベントとしての社員総会について詳しく見ていきましょう。
先ほどお伝えした通り、ビジネス用語における社員総会は年度初め、期末、年末、様々なタイミングで行われます。期首に行われる社員総会の場合、その内容は『キックオフ』と通じる部分が非常に多くなっています。キックオフについては別の記事で解説していますので、ぜひこちらもご参照ください。
ここでは主に期末(もしくは年度末)に行われる社員総会についてお話していきましょう。
期末もしくは年度末の社員総会の場合、必然的に期末ならではのコンテンツが多くなります。よく盛り込まれるのが次のコンテンツです。
・業績発表
・表彰式
・トッププレゼン
・エンタメコンテンツ
・懇親会(パーティー)
業績発表
期末の全社イベントならば外せない要素です。とはいえ、締めのイベントの場合は頑張った社員への慰労の要素が強くなりますので、あまりここに時間を取りすぎないほうが良いでしょう。
表彰式
営業が主体の会社等、表彰式を単独で社内イベントにする会社もありますが、社員総会内で開催するケースも多くあります。詳細は後述の『成功のコツ』で解説しますが、表彰式を別に設けない会社では非常に重要な、必須ともいえるコンテンツです。
表彰式については別の記事で詳しく解説しています。そちらも併せてご覧ください!
トッププレゼンテーション
表彰式同様、社員総会における目玉コンテンツのひとつがトッププレゼンです。支社が全国展開しているような規模が大きな会社の場合、社員全員にトップの言葉を直接届けられる貴重な機会でもあります。なお、期末の社員総会の場合、トッププレゼンには社員の頑張りを労う要素を入れ込むのがおすすめです。
トッププレゼンについては別の記事で詳しく取り上げていますので、そちらもぜひご覧ください!
エンタメコンテンツ
期末の社員総会は学校でいう終業式の立ち位置であることも多いため、固い内容だけでなく、社員のテンションを上げるエンタメコンテンツを盛り込むのがオススメです。期末なので抽選会やアーティストによるパフォーマンス等、肩の力を抜いて楽しめるような内容が向いています。
懇親会
2022年1月現在は新型コロナの流行もあってリアルでの実現が難しいですが、いわゆる『打ち上げ』の要素のある懇親会も欠かせません。期内の頑張りを称え、和気あいあいと交流することで来期以降のモチベーションの上昇も期待できます。
社員総会はリアル?それともオンラインで実施する?
社員総会、と言われて頭に浮かぶのは、全社員が大きな会場に集ったリアルイベントではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症が流行するまでは、社員総会と言えばそのイメージの通り、千、万単位の社員が全国から集まってくるリアルイベントを指していました。
しかし、ご存じの通り、2020年のコロナ禍により、大人数が集まった形でのイベントの開催が困難となりました。社員総会は開催時期がほぼ決まっているため、『落ち着くまで延期』という手段は使えません。
そのため、2020年以降、社員総会は急速にオンライン化が進んでいます。オンラインイベントには参加人数の上限がなく、移動の手間・時間・費用も掛からないというメリットがあります。
今後新型コロナウイルス感染症が落ち着いた後も、社員総会は会社によってオンラインとリアルを使い分けていくことでしょう。
オンライン社員総会、具体的にどんなコンテンツ事例がある?
その1:経営方針にテロップで動きを足して興味を引く
年初の社員総会での事例です。
今年一年の経営方針を発表する大事なプレゼンテーション。
話す側としては最も熱が入る部分ですが、オンラインで見ると画面の動きが少ないため、参加者はちょっと飽きてしまいがちです。
そこで、ただ資料を映すのではなく、伝えたいメッセージをモーションのついたテロップ(動くテロップ)で打ち出しながら表示していきました。
オンラインイベントは『画面をいかに面白く、見たいものに仕上げるか』がカギ。プレゼンのように固い内容であっても、工夫次第で参加者を惹きつけることができます。

その2:テレビ番組をモチーフに、オンラインならではのステージ演出!
いつも通りにイベントを進行していくだけだと面白くない、オンラインならではのことがしたい……そう考え、テレビ番組をモチーフにした全社総会を開催。
MCにはその番組本家と同様の著名人を起用し、スタジオのセットもテレビ番組の美術チームを入れてデザイン。画面越しに見る社員総会はテレビ番組そのもの!
『画面で見るからこそ意味がある』オンライン社員総会となりました。

社員総会を成功させるポイント
社員総会は全社員が参加するため、社員に与える影響も大きいイベントです。しっかりと社員の心を掴むことができれば、翌期のモチベーション向上、成果の向上にも繋がっていきます。
例えば、下記のような要素を盛り込むとグッと魅力的な社員総会になります。
ビジョンの共有
社員総会は全社員に会社のビジョンを伝える貴重な機会でもあります。キックオフなどの期首イベントだけでなく、期末のイベントにも盛り込むことでビジョンのより深い浸透が期待できます。また、ビジョンに沿った活動を行った社員やプロジェクトを表彰するなど、期首とは異なった形のビジョン共有を行うことができるのもポイントです。
感謝の意を示す
期末イベントとしての社員総会に絶対必要なのが『感謝の意を示すこと』です。成果を挙げた社員を表彰するだけでなく『全社員に感謝を示す』ことで、社員全員のモチベーションを上げ、愛社精神を育むことができます。
一体感を味わえるコンテンツを用意する
社員が一堂に会する社員総会は社員が一体感を味わえるチャンスでもあるため、エンタメコーナーには全員で参加できるコンテンツを盛り込むのがオススメです。ただ、期末のイベントは打ち上げ的な要素が強くなったり、その後年末年始休暇に入ったりと、社員の動きもモチベーションも期首とは異なります。採用するコンテンツは時期に合わせたものを選ぶようにしましょう。
オンライン視聴環境のサポートをしっかり行う
意外と忘れがちですが、非常に重要なのが『オンライン社員総会における視聴環境のサポート』です。オンライン社員総会は通信環境、視聴デバイスが人によって全く違います。スマホしか持っていない人もいれば、家にwi-fiが通っていない人もいるでしょう。zoom会議等が浸透してきた今でも『全員がオンラインに適応している』とは限りません。そのため、オンライン社員総会を行う時は予め社員の視聴環境を確認するほか、運営に参加者向けの技術サポートができる人を入れておくことが大切です。
テレワーク等により日々のコミュニケーションが希薄化しがちな昨今、全社員が集う社員総会の果たす役割はますます大きくなってきています。当記事を参考にぜひ社員総会の開催orブラッシュアップを企画してみてください!
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最終更新日:
2022DEC
8
公開日:
2022JAN
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