話題の侵食型絵画展『視てはいけない絵画展』へ駆け込み鑑賞!

「視てはいけない」と言われるほど、なぜか気になってしまうもの。そんな人の心理を巧みに取り込む形で構成されているのが、侵食型絵画展『視てはいけない絵画展』です。
静かな空間に並ぶのは、一見するとごく普通の絵画。しかし、それらは実は“ただ鑑賞するための作品”ではなく……。今回は「視る」という行為そのものに、静かに問いを投げかけてくる体験型アート『視てはいけない絵画展』についてご紹介!
侵食型絵画展『視てはいけない絵画展』とは?
『視てはいけない絵画展』は、いわゆる美術館での“鑑賞する展示”とは明確に異なる立ち位置を取った体験型の絵画展です。会場に並ぶのは、一見するとごく普通の絵画。しかし、それらを「視る」ことで、鑑賞者の感覚や認識が少しずつ揺さぶられていくよう設計されています。

といっても大きな音や驚かせる演出があるわけではありません。むしろ空間は静かで、淡々と絵と向き合う時間が続きます。
それでも、「何かがおかしい」「違和感がある気がする」といった感覚が、自分の中で積み重なっていく……。その結果、気づいたときには展示全体の世界観に深く入り込んでしまう、そんな体験ができるのが特徴です。
好奇心をそそる不穏なイントロダクション

そんな『視てはいけない絵画展』について、主催者側からも意味深なイントロダクションが届いています。ここでは、その文章をそのまま紹介します。
「この世には、“視てはいけない”絵画が存在します。
それらは、とある一人の収集家の手により人知れず保管されてきました。
今回、彼の遺言により”視てはいけない絵画展”として、特別に一般公開されます。
絵画を視た後、あなたの身に何が起きても、私たちは一切の責任を負いかねます。
ご来場、心よりお待ちしております。
※本展示の内容は、すべてが真実とは限りません。」
——この一文からとめどなく漂ってくる不穏な空気……。あらかじめ答えが用意されている展示ではなく、「あなたはどうする?」と問いを投げかけてくるからこそ、好奇心が刺激されてイベントへの期待感もさらにアップ。
主催者コメント「視るという行為そのものを問い直すこと」

「怖さを提供すること」よりも、「視るという行為そのものを問い直すこと」。主催者はこのイベントに関してここを意識しているとコメントしているのでご紹介。
「絵画を見る、情報を見る、SNSを見る。私たちは日常的に“視る”ことに慣れすぎているのかもしれません。この展示は、その無意識の行動にブレーキをかけ、「本当にそれを視ていいのか?」と立ち止まらせることを目的としているそうです。単なる刺激ではなく、鑑賞後にじわっと残る感覚を大切にしている点が印象的です。」
ヒットを打ち出した制作チーム
それではここから、ヒットとなた本展を作り出した制作チームについてご紹介。
視える人には視える展

「視える人には視える展」は、人には見えない“何か”が視えている人の世界を擬似体験する体験型展示で、「見える・見えない」という主観的な感覚をテーマにしています。本作『視てはいけない絵画展』も、その系譜に連なる企画として位置づけられています。今春、渋谷の古民家で開催された第一弾は約1万3千人を動員し、その反響を受けた第二弾「-零-」では、日本橋の福島ビルを舞台に内容と規模を拡大。SNSを中心に話題を集め、累計4万人を動員するなど、大きな注目を集めました。
NOTHING NEW

企画・制作を手がけるのは、体験型コンテンツを数多く生み出してきたクリエイティブチーム「NOTHING NEW」。派手な演出に頼るのではなく、「気づいたら入り込んでいた」と感じさせる体験設計を得意としています。
彼らは「才能が潰されない世の中」を目指し、2022年に映画レーベルとしても活動をスタート。ホラーやアニメーションを軸に、新しい作品のつくり方と届け方に挑戦してきました。ホラーショートフィルム集『NN4444』や、中編ホラー『〇〇式』、SF短編映画『幽霊の日記』など、その作品群からも一貫した世界観がうかがえます。
制作クリエイター
世界観設計・クリエイティブディレクションを担当するのは、鈴木ロクシ。
空間や物語のレイヤーを丁寧に積み重ねる手法に定評があり、本展でも「絵画を見る」という行為そのものを再定義する役割を担っています。
お待ちしております〜 https://t.co/ZaxVXfQyXX
— 鈴木ロクシ (@RokuShiSan) December 25, 2025
体験設計・ディレクションを務めるのは、MoRi(モリ)。来場者の動線や心理の変化を緻密に設計し、体験が自然に“侵食”していく構造を支えています。二人の役割分担が、この独特な没入感を生み出しているようです。
禁視絵 監修者

Photo:株式会社TwoGateより引用

Photo:株式会社TwoGateより引用
本展のキーワードのひとつが「禁視絵」です。
これは、“視ることで何かが起きる可能性をはらんだ絵”という設定のもと、専門的な監修を加えながら制作された絵画群を指します。
「視てはいけない絵画」とは一体どんなものなのか。描かれたモチーフや状況、使われている素材や漂う空気感は、なぜ人に影響を与えてしまうのか。そうした問いに向き合うため、本展では霊視とオカルトの視点から、つくりものの絵画たちに“リアリティ”を吹き込む監修が行われています。
監修を務めるのは、シークエンスはやとも氏とMiyoshi(みよし)氏。心霊や怪異、不可視の領域に精通した二人が関わることで、展示全体に説得力のある違和感が立ち込めます。単なるフィクションにとどまらず、「もしかしたら……」と思わせるラインを巧みに保っている点も、本展の不気味さを静かに底上げしているんですね。
終わりに
怖がらせる展示というよりも、「視ること」について静かに考えさせる体験型アート。それが『視てはいけない絵画展』です。10日間で15,000枚のチケットが売れ、会期延長が決まったという事実がこの展示の“ただならなさ”を物語っていますよね。ホラーが苦手な人でも、アートや体験型展示が好きならきっと気になるはず。
当初12月28日(日)までの開催予定でしたが、反響を受けて2026年1月19日(月)まで会期延長が決定。気になる人は今すぐGO!

