イベント制作における「愛の技法」

皆さんこんにちは、GP柳瀬です。
エーリッヒ・フロムは著書『愛するということ』の中で、愛を「感情」ではなく「技法(アート)」だと語っています。愛とは、ただ自然に湧き上がるものではなく、学び、実践し、少しずつ磨いていくもの——この考え方は、イベントプロデュースという仕事にも重なる部分が多いように感じました。
私たちは日々、B2Bイベントを通してクライアントの課題と向き合い、心を動かす体験をつくっています。けれどその土台となる「相手を想う気持ち」や「信頼関係づくり」を、知らず知らずのうちに相性やその場の空気に任せてしまってはいなかっただろうか。フロムの言葉は、そんな自分自身のプロデュースの在り方を、あらためて立ち止まって考えさせてくれました。
「愛するということ」を、イベントプロデュースに重ねて考えてみる。
「選ばれる」よりも、「何を渡せるか」を考える
フロムは、多くの人が愛を「どうすれば愛されるか」という視点で考えてしまう、と指摘しています。
これはビジネスの世界で、「選ばれる存在になること」ばかりに意識が向いてしまう状況とも、どこか似ています。
イベントにおいても、評価されることだけを目的にすると、どうしても表面的な提案になりがちです。
大切なのは、クライアントのビジョンの中に一歩踏み込み「この人たちは、今どんな未来を描こうとしているのか」「自分たちは何を提供できるのか」を考え続けること。
「与える」ことを起点に関係をつくっていく。それはフロムの言う「愛するという技法」であり、GPがこれまで大切にしてきたプロデュースの姿勢そのものだと感じています。
自立した個が集まるから、いいチームになる
フロムは未熟な愛の形として「共生的結合」という考え方を紹介しています。相手に依存しすぎること、あるいは相手をコントロールしようとすること。一見うまく回っているように見えても、そこから新しい価値はなかなか生まれません。
イベント制作の現場でも同じことが言えます。指示を待つだけでも、自分の正解を押し付けるだけでも、良いチームワークにはなりません。一人ひとりがプロフェッショナルとして自立し、その上で意見や想いを持ち寄るからこそ、クリエイティブな仕事が生まれます。
GPが目指しているのは、役割だけでつながるチームではなく、考えや想いを共有できるチームなのだと思います。
プロデュースに活かしたい「愛の4つの要素」
フロムが示す、愛を支える4つの要素は、プロデュースの現場でもそのまま活かせる考え方です。
Care(配慮)
プロジェクトの成功だけでなく、クライアントや関わる人たちの成長まで思い描くこと。
Responsibility(責任)
言葉にされていない違和感や期待にも、できる限り応えようとする姿勢。
「そこまでやるかどうか」が、プロデュースの深さを決めます。
Respect(尊重)
相手を自分の思い通りに動かすのではなく、その人らしさが一番活きる形を一緒に探すこと。
Knowledge(知)
表に出ている要望だけでなく、その奥にある本音や背景を知ろうとすること。
相手を知ろうとする姿勢が、自然と信頼につながっていきます。
プロデュースは、「愛するという技法」を実践する仕事
フロムは「与えることは何かを失う行為ではなく、自分自身のエネルギーや充実感を最も強く感じられる瞬間だ」と語っています。
クライアントや仲間と本気で向き合い、プロデュースに向き合う。その過程で、私たち自身も刺激を受け、学び、成長していく。イベントプロデュースは、単に仕組みを組み立てる仕事ではありません。人と人が出会い、関わり合い、互いの可能性を広げていくプロセスそのものです。
「愛するという技法」を、日々の仕事の中で少しずつ実践していくこと。それが、GLOBAL PRODUCEのプロデュースの原点なのかもしれません。
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