総勢27名のキャストで送る怖〜い話。伊藤潤二「富江」が朗読劇に。

日本が世界に誇るホラー漫画家・伊藤潤二の代表作「富江」が、朗読劇として待望の舞台化を果たしていたことをご存知でしょうか?
美しくも傲慢な女・富江に翻弄され、破滅へと向かう人々の物語を、“声”だけで贈る斬新すぎる濃密な舞台体験。総勢27名のキャストが日替わりで出演し、公演ごとに異なる「富江」の世界が広がります。今回の記事では、ホラー好きはもちろん、原作ファンなら見逃せない注目の公演を皆様にシェア。
朗読劇に?!『Lemino presents アニマックス朗読劇「富江」』とは

『Lemino presents アニマックス朗読劇「富江」』は、2026年1月12日(月・祝)から1月18日(日)まで、東京・ヒューリックホール東京にて上演された朗読劇公演。全10公演、そして最大の特徴は日替わりキャスト制という点にあります。
同じ台本でありながら、出演者の組み合わせが変わることで、舞台の空気感がガラリと変わる。その“揺らぎ”もまた一興です。

声優、俳優、怪談師。異なるジャンルで活躍する表現者たちが集結しているのも見どころのひとつで、
演じ手が変わるたびに少しずつ違う表情を見せる様々な「富江」に出会えるのはこれまでにない新体験。
戦慄恐々。美しすぎるヒロイン、富江とは
富江とは、漫画家・伊藤潤二のデビュー作にして代表作『富江』に登場するヒロインのこと。1989年の発表以降、日本ホラー漫画を象徴するアイコン的存在として語り継がれてきました。
\ #伊藤潤二展 4月27日~ 世田谷文学館/
— 「伊藤潤二展 誘惑」閉幕!! (@jhorrorpj) January 8, 2024
本日情報解禁!!
■展覧会タイトル正式決定
伊藤潤二展 誘惑
JUNJI ITO EXHIBITION ENCHANTMENT
■描き下ろし新作イラスト
「富江の世界」
優美さとグロテスクさが同居する伊藤ワールド
恐怖と狂気の世界に誘います pic.twitter.com/aBEEiQ48mI
物語の中心にいるのは、美しく、どこか傲慢で、そして目を離せないほどの異様な存在感を放つ女・富江。彼女と出会った人間は、気づけば心を奪われ、執着し、やがて正気を失っていく……。
この物語が怖いのは、単なる怪異譚にとどまらないから。欲望、嫉妬、依存、独占欲。人と人との関係の中に潜む、生々しい感情が、富江という存在を通してむき出しになっていきます。切り刻まれても、殺されても、何度でも現れる彼女の姿は、「個体とは何か」「美しさとは何か」という、かなり根深い問いを私たちに突きつけているかのよう。
ビューティーからアート、グッズまで。“富江”はいま、カルチャーアイコンとして再燃中
近年、富江はホラー作品の枠を軽々と飛び越え、さまざまなカルチャーシーンで再び注目を集める存在に。その象徴がSNSをきっかけに広がった“富江メイク”です。あの印象的なビジュアルを現代的にアップデートした表現として話題になり、実際に富江をモチーフにしたコスメやビジュアルキャンペーンを展開するブランドも登場。ビューティーシーンでも、確かな存在感を放っています。
【Little Ondine(小奥汀)】×伊藤潤二🥀
— JUMEI@中国コスメ通販 (@JumeiBeauty) October 22, 2025
「欲望が咲き乱れる、禁断の美。」
ダークに、妖しく、あなたの魅力を解き放つ🎭
▷https://t.co/M6sit4FsuY#中国コスメ #LittleOndine#伊藤潤二 #富江 pic.twitter.com/x3ydZLtuxw
さらに目を引くのが、展示やエキシビション、コラボレーショングッズといった広がり。伊藤潤二作品の世界観を体感できる展示や、富江をモチーフにしたアパレル、雑貨なども人気を集め、アートやファッションの文脈でも自然に受け入れられる存在になっています。
怖いのに、美しい。近づきたくないのに、なぜか目を離せない。そんなアンビバレントな魅力こそが、富江が“引用され続ける存在”=カルチャーアイコンとして生き続けている理由なのかもしれません。今回の朗読劇も、そんな“いまの富江”の流れの中で味わいたい一本と言えそうですよね。
初日公演を終えた出演者たちの言葉
美しさと恐怖をあわせ持つ存在として、今もなおさまざまな形で引用され続ける「富江」。
その世界観を、朗読劇というかたちで立ち上げたのが、本作『Lemino presents アニマックス朗読劇「富江」』です。
日替わりキャスト制という挑戦的なスタイルのなかで、初日公演ではどんな「富江」が描かれたのか。
ここからは、本作の幕開けを担った出演者たちの言葉を紹介します。

佐倉薫(富江/中村アヤカ役)
「朗読劇富江、本日初日を迎えました!富江役でお話をいただいた時は嬉しいと同時に富江の圧にドキドキしてしまいましたが、なんとか自分なりの解釈の富江を演じられたかなと思っております。私は明日も出演させていただき、また違うキャストの組み合わせでお届けできるのが楽しみなので、ぜひ皆様にも何度も足を運んでいただけると嬉しいです。」
Photo:株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンより引用

井澤詩織(中村保子役)
「原作の中の魅力的なところをギュッと凝縮して浴びる富江の世界は、きっと強烈で、皆様も富江の虜になってしまった事でしょう。富江に振り回される保子の人生を演じられてとても楽しかったです。」
Photo:株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンより引用

中澤まさとも(森光夫/雪夫役)
「富江、恐ろしいです。富江に引きずり出される生々しい感情は、なかなか観られるものじゃないと思います。同じ結果でも、その時その一瞬に沸き起こる感情を大切に演じたいです。」
Photo:株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンより引用

高塚智人(小泉リョウ/岩田忠夫役)
「富江のエネルギーが凄まじく、とにかく全力で挑ませていただきました。ゾッとするような体験を、少しでも持ち帰ってもらえていたら本望です。」
Photo:株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンより引用

村上ロック(語り部)
「朗読劇というジャンルに戸惑いながらも、語り部として挑戦しました。難しいからこそ、非常にやりがいのある体験でした。」
Photo:株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンより引用
終わりに
声だけで描かれるからこそ、想像は大きく膨らみ、恐怖も美しさも、より生々しく迫ってくる。『Lemino presents アニマックス朗読劇「富江」』は、原作が持つ不気味さや妖艶さを、声と想像力だけで立ち上げることに挑んだ舞台。日替わりキャストという仕組みそのものが、「富江」という存在の不安定さや増殖性と重なり合い、毎公演ごとに異なる感情と余韻を残します。
2026年1月18日(日)まで上映された本公演。伊藤潤二作品が好きな人はもちろん、朗読劇という表現に少しでも惹かれる人にとっても、観終わったあとも余韻を試したこの作品の再上演が楽しみです。それではまた。
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