AI時代に、なぜ人は“集まる”のか -イベントが担う、これからの体験価値

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こちらの要約文はAIによって生成されたものであり、情報の正確性を保証するものではありません。

GP川本です。今回は「AI時代になぜ人は集まるのか」をテーマにお話しさせていただきます。多くのことがAIやオンラインで実現可能になった今の時代、意外にも「実際に集まる」イベントの価値はどんどん上昇している、その理由を紐解いていきましょう。

「AI活用論」ではなく、「イベント価値論」として考える

AIが目まぐるしく進化した結果、イベント業界では、企画リサーチ、構成案の作成、台本の初稿、運営資料の整理、参加者データの分析など、企画・制作の現場でAIが大活躍しています。
そんな時代の中、私はより本質的に向かうべきは「AIによって情報伝達や業務効率化が進む時代に、イベントそのものの価値はどう変わるのか」という問いではないかと考えています。
オンラインで情報は共有できる。AIで要約もできる。動画を見れば、内容そのものは理解できる。
それでもなお、なぜ人はわざわざ同じ場所に集まるのか。

イベントの価値が「情報を届けること」だけにあるなら、その多くはすでに別の手段で代替できます。では、代替されずに残るものは何か?

それは「感情が動く瞬間」であり、「誰かと熱量を共有する時間」であり、自分の中のスイッチが切り替わる体験です。人は、情報を得るためだけに集まっているのではありません。情報を受け取り、自分なりに意味づけし、次の行動へ踏み出すために集まっているのだと思います。

「高額でも行きたい」リアル体験の価値

その象徴の一つが、近年の音楽ライブやスポーツ観戦のチケット価格です。
もちろん、チケット価格の上昇理由は「体験価値の高まり」だけではありません。人件費、会場費、警備費、輸送費、エネルギーコストなど、イベントを成立させるためのコストも上がっています。「そもそも物価が高まっているのだから、チケット価格が上がるのは当たり前」という見方は、ある程度正しいのです。しかし、ここで注目すべきは、その上昇率と需要の強さです。

総務省の消費者物価指数を見ると、日本の総合指数は2014年から2024年にかけて約11%上昇しています。一方、ACPCのライブ市場データをもとに「総売上高÷総動員数」で概算した1人あたり単価を見ると、2014年の約6,452円から2024年には約10,308円へ、約60%上昇しています。
※ACPC:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会の略称。音楽を中心としたライブ・エンタテインメントを主催する全国のプロモーターで構成される団体

さらに、ACPCの基礎調査では、2014年の総動員数は4,261万人、2024年には5,938万9,784人となっています。概算単価が上がり、動員も増え、総売上高も拡大しているのです。もちろん、ACPCの調査は会員社を対象としたもので、日本全体のライブ市場そのものではありません。それでも、単なる物価上昇だけでは説明しきれない現象として、非常に示唆的です。
人々は、高いお金を払ってでも、その日、その場所にしかない体験に参加したいと考えている。音楽ライブやスポーツ観戦は、もはやコンテンツを「見る」だけの場ではありません。同じ空間で熱量を浴び、歓声を共有し、記憶に残る瞬間に立ち会うための体験になっています。

「行きたくても行けない」ほど、需要は強い

長年にわたり第一線で活躍し、世代を超えて支持されるアーティストの例を見ても、その変化はわかりやすく表れています。

ライブの様子(AI生成)
※画像はイメージです

たとえば、B’zを例に見てみましょう。2015年の「B’z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-」スタジアムツアーは、公式料金としてSS席13,000円、S席8,800円が設定されていました。一方、2025年の「B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP-」では、東京ドーム公演などでSS席18,000円、S席13,000円、さらにPremium席35,000円が設定されています。単純比較では、SS席で約38.5%、S席で約47.7%の上昇です。

会場条件や席種設計が完全に同一ではないため、厳密な同条件比較ではありません。しかし、大型公演におけるチケット単価上昇を示す一例としては、十分に示唆的です。

しかも、それでもチケットは簡単に手に入るものではないのです。価格が上がっても、人々はライブへ行きたい。むしろ「行きたくても行けない」ほど、リアルな体験への需要は強い。

スポーツ観戦でも、同じ方向の変化が見られます。たとえば私が生まれた時から大ファン(大阪出身の母からの英才教育?)の阪神タイガースの甲子園ホームゲームでは、席種や試合カテゴリに応じた価格設定が行われています。価格が一律ではなく、日程や対戦カード、席種、需要に応じて設計されている点が特徴です。

音楽ライブでは、物価上昇を大きく上回る単価上昇が見られる。スポーツ観戦では、需要に応じた価格設計が進んでいる。両者に共通しているのは、リアルな場に足を運び、同じ空間で熱量を共有する体験が、以前にも増して価値あるものとして扱われているということです。

野球観戦の様子(AI生成)
※画像はイメージです

そしてこの変化は、エンタメやスポーツだけに限った話ではありません。ビジネスイベントやカンファレンスにも、同じ視点が求められ始めています。

「業務だから参加してください」では、もう届かない

参加者は日常の中で、音楽ライブ、スポーツ観戦、テーマパーク、映画、配信コンテンツ、没入型エンタメなど、質の高い体験に触れています。その感覚値を持った人たちが集まる場である以上、社内イベントやカンファレンスも、単なる情報伝達の場にとどまっていてはならない。

もちろん、ビジネスイベントは音楽ライブやスポーツ観戦と同じものではありません。
目的は、熱狂そのものではなく、経営メッセージの浸透、組織の一体感醸成、ブランド理解、関係性の深化、そして行動変容にあります。
社員総会、表彰式、キックオフ、周年事業、カンファレンス……これらは企業にとって、組織の意志を共有し、次の行動へとつなげるための重要な機会です。
だからこそ、企業イベントにおいて重要なのは、「開催すること」ではなく、参加価値を設計することです。

ここで必要になるのが、エンタメ性です。
ただし、これは派手な演出や豪華なゲストを入れることだけを意味しません。もちろん、音楽、映像、照明、舞台演出、インタラクティブな仕掛けは参加者の感情を動かすうえで有効です。しかしその本質は、参加者の集中力を高め、記憶に残し、メッセージを「自分ごと化」させるための体験設計の方にあります。

「業務だから参加してください」は、もう十分ではありません。
参加者の時間を預かる以上、「その時間にどんな意味を持たせるのか」「何を感じてもらい、何を持ち帰ってもらい、どんな行動につなげるのか」まで設計できて初めて、企業イベントは“集める場”から“動かす場”へ進化します。

「理解」が「納得」に変わり、「行動」につながる瞬間

経営方針をただ説明するだけなら、資料配布や動画視聴でも成立するかもしれません。
しかし、その方針に込められた危機感や覚悟、未来への期待を、社員一人ひとりの感情に届けるためには、言葉だけでは足りないことがあります。
空間の温度、登壇者の表情、会場全体の空気、隣に座る仲間の反応、拍手の音、映像が切り替わる瞬間の高揚感。そうした要素が重なって、初めて「理解」が「納得」に変わり、「納得」が「行動」へとつながっていきます。

AIは、情報を整理することに長けています。しかし、人の気持ちが動く瞬間を、その場の空気ごと生み出すことは、まだ人間の領域です。
もちろん、AIはイベント業にとって脅威ではありません。むしろ、私たちプロデューサーの可能性を広げるパートナーです。
AIによってリサーチや資料作成、構成案づくりの一部が効率化されるなら、その分、私たちはより深く参加者を理解することに時間を使うべきです。経営者が本当に伝えたいことは何か。社員が本当に聞きたいことは何か。その間にあるギャップはどこにあるのか。イベント後に、参加者の中にどんな言葉や行動が残るべきなのか。
AI時代のイベントプロデューサーに求められるのは、単に段取りを組む力ではありません。情報と感情を編集し、企業の意志を体験へと翻訳する力です。

自分の感性で、会社との関係を捉え直す場へ

アーティストのライブに行くと、そのアーティストを好きだった理由を再確認することがあります。スポーツ観戦に行くと、その選手やチームを応援している理由がより深く自分の中に刻まれることがあります。
それは、誰かに説得されたからではありません。その場の空気や熱量を、自分の感性で受け取り、自分の中にある希求と結びついたからです。

企業イベントにも、同じ構造があります。
良い社内イベントやカンファレンスは、会社からのメッセージを一方的に受け取る場ではなく、参加者一人ひとりが、自分の感性でその意味を受け取り、自分の仕事や未来への希求と結び直す場です。
「会社が言っていること」を、そのまま受け入れるのではない。「自分はどう感じたのか」「自分は何に共鳴したのか」「自分はこの先、どう関わりたいのか」を考える。その余白があるからこそ、企業イベントは人の中に残ります。

AIによって情報伝達が効率化されるほど、リアルイベントの役割は明確になります。それは、正しい情報を届けることではなく、参加者自身の感性や希求が動く瞬間をつくることです。
エンタメ性も、テクノロジーも、AIも、そのための手段です。
私たちイベントプロデューサーが向き合うべきなのは、「どう伝えるか」だけではありません。この場を通じて、参加者自身の中にどんな共鳴を生み出せるか。
この問いに向き合い続けることこそ、AI時代におけるイベント業の存在意義だと考えています。

※当社のコンテンツ制作・編集ポリシーに基づいて制作しています

KNOWLEDGEイベントノウハウ

最終更新日:

WRITER

川本 達人

執行役員/企画統括/
第3本部長/チーフプロデューサー

イベント演出のワクワクを提案するGPの得意技を更に研ぎ澄ましながら、全社社員が“プランニングは楽しいし仕事を創るうえで大切な武器だ”というマインドを浸透させていくことが私の仕事です。
これからのGP飛躍にご期待ください!

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GLOBAL PRODUCE Co., Ltd.

GLOBAL PRODUCE Co., Ltd.株式会社グローバルプロデュース

年間200件以上のイベント企画・制作・運営を手掛けるイベントプロデュースのプロフェッショナル集団。株主総会、周年イベント、表彰式などの社内イベントから、PRイベント、展示会まで、リアル・オンライン・ハイブリッドを問わず、企業の「伝えたい」を形にする最適なコミュニケーションを設計・提供しています。

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